2024/02/01
「今」と「100年前」
2024年1月1日、北陸で起きた地震から、はや1ヶ月。
被災された方々には心からお見舞い申し上げます。また、復興に尽力されている皆様は安全に留意され、ご活躍されることをお祈りいたします。
能登半島地震が起き、多くの人は2011年の東日本大震災が脳裏をよぎったのではないでしょうか。さらには、東京を中心に大きなダメージを与えた関東大震災を思い起こした方もいるでしょう。
なぜなら、2023年は関東大震災からちょうど100年の年で、たくさんの人の注意が関東大震災に向けられたからです。
その時(100年前)と現代では、さまざまな違いがあります。特に、科学技術の発達により文明がどんどん発展したことは、言うまでもありません。
そのため、今、同じような規模の地震が起きても、100年前に受けた被害とは異なってくるでしょう。そこで、どのような違いがあるかを考察してみました。
関東大震災の火災
鉄筋の建物は残ったものの、多くの建物が全壊したり、半壊したり、または消失や埋没といった被害を受けました。
その数、20万棟以上。横浜も被害がひどく、全壊棟数は神奈川に多かったようです。
そして、死者や行方不明者は約10万5000人にまでのぼり、そのうちの9割の方が、火災で亡くなりました。
地震の発生がちょうど正午付近だったので、食事のために火を使っているところが多く、地震により、火災が起きたのでした。
通常、火事は道路で防げるそうです。つまり、道路を超えた先の一区画までには炎がいかないのですが、当時は道路が狭く、火が道路を超えて、どんどん先まで渡っていきました。
さらに、道路が狭いがゆえに消防車などの出入りも難しく、その間に火が広がってしまったと言われています。
関東大震災規模の地震が現代に起きたら?
現代では、鉄筋の建物が多いですから、燃えにくく、さらに倒れにくい。
また、道路は広く作れられているので、一区画全部燃えても、次の一区画まで燃え広がる可能性は少ないと言えます。
そのため、関東大震災の時ほど死者は出ないでしょう。
関東大震災はとても大きな災害でしたので、家屋の倒壊などで被害を受けた人は200万、300万人はいたと思います。そのため、さまざまな対策として、コンクリートを使用したり、耐震性のルールを作ったりして今に至ります。
ですので、多くの建物、特に都心部の建物には、さまざまな対策が講じられているので、大きな被害を生み出さなくて済むかもしれません。
電気やガスがすぐに止まるようなセンサーも取り付けてある建物も多いので、爆発が起きることも少ないでしょう。
また100年前に比べて、火を使ってる時間も機会も減りました。なので、震災による火災も関東大震災に比べて抑えられるのではないでしょうか。
ただし、耐震性が足りない建物は壊れてしまうでしょう。もし、住宅密集地域に木造建物があれば、そのうちの一箇所からの出火で、火事が大きくなってしまうことはあるかもしれません。現在の建物は丈夫であると言われていても、都内にも、まだこうした地域はあります。
しかし、全般的に見て、100年前と同じような被害は出にくいと考えられます。
現代に災害が起きた場合のもう一つの側面
現代は、今までの被災経験から、被災者への支援が以前より少しよくなっています。
とは言っても、すぐに完璧に支援物資やお金が用意されるわけではありません。もしかしたら、足りないかもしれませんが、昔に比べて対策が整ってきています。それはとても素晴らしいことです。
しかし、被害の規模が大きい場合に、被災を支える側と被災を受けた側の人数次第で、状況が少々変わってくると考えています。
例えば、人口が1億で、200万人が被災したとします。すると、9800万人が被災者を支援できます。
しかし、もし人口の半分が被災者だったらどうでしょうか?
また、今後の日本は高齢者が多くなっていますから、動ける人の数が少ない中に、多くの人が被災者になったらいかがでしょうか?
生活物資やインフラはどうなるか?
経済的に支えられるのか?
など、今後の災害は、日本の経済状況や人口の年齢なども加味して対策しないといけません。
もちろん、災害が起きるとは限りませんが、学者は地震は繰り返すと話しています。南海トラフは十数年くらいに一度あると言われているので、近い未来に発生するかもしれません。
ですので、一人ひとりが、まずは自分の身を守る対策を講じていただきたい。そして、行政が定めている避難場所の確認や、緊急時の家族への連絡などを決めておくといった準備を怠らないようにしてもらいたいと思っています。
まさに備えあれば憂いなしです。